昨今の技術革新によって誰もが音楽を制作・発表するできるような時代になりました。だからこそ、その中で頭1つ抜きん出てブレイクを果たすには、むしろ昔よりも大変な時代になってしまったのかもしれません。
音楽を楽しむ環境もPCからスマホへと移り変わるのに伴って音楽を発信していく側も時代にあわせ変化していく必要があり、待っているだけではチャンスは訪れませんので、自分たちを売り込む為に出来る事は全て行うにこした事はありません。
まず売り込むという定義について「一般ユーザー」に売り込むのか、「レーベル」や「レコード会社」に売り込むのか、というところでアプローチは異なると思いますが、今回は特にどちらに向けてという事はなく、結成して間もなくお金はないけど時間はあるというバンドや、こういった事に疎い方々がすぐにでも出来るような事をまとめてみましたので参考までにご覧下さい。
【1】オンライン上に音源や映像をアップする
基本中の基本ですが、人に知ってもらうためにはまず音源を公開する必要があります。登録さえすればどなたでも公開出来ますのでまずバンドを売り込む第一歩として行いましょう。音源をアップできるサイトは沢山ありますが、メジャーな所でいえば
あたりでしょうが、一番ベターなのはやはりYouTubeでしょう。音源のみならず映像もアップ出来る訳ですし、圧倒的なユーザー数を誇りますのでYouTubeにアップしておけばまず間違いないと思います。
その際に重要なのが、説明欄にしっかりとした情報を記載しておくということです。バンド名や曲名は当たり前ですが、バンドのHPアドレス、楽曲の発売情報、ライブ情報、ディクコグラフィーなど、少しでも興味を持ってくれた人が次の情報を知る事が出来るように適切な情報を記載しておく事が大切です。
更にいえば「タグ」もちゃんと記載しておきましょう。例えばただ“ロック”とだけ記載するよりも、「オルタナティブロック、日本語、3ピース」などの情報を加える事でより多くの人がその音源にたどり着く道筋が増える事となります。
【2】HPをつくる
これも基本ですが、デジタルに疎い方の場合HPの制作には抵抗を覚える方も多いのではないでしょうか?しかしバンド活動をしていくうえで、正しい情報を発信出来る場所は必要となります。
SNSが発達した今、Twitterやフェイスブック、インスタなどでメンバーそれぞれが情報を発信する事が多く、情報の遅延や更新し忘れによって誤った情報を発信することにもなりかねませんので「オフィシャルサイト」と呼べる所を1つは用意するべきです。
無料で高性能のホームページが作れるサイトとしては
などがあります。これらも少し敷居が高いな〜という方はYouTubeのチャンネルをオフィシャルとしてしまっても何ら問題ないと思います。そしてオフィシャルサイトに記載する情報としては、バイオグラフィー、ディスコグラフィー、音源(リンクでも可)、そしてコンタクトがとれるメールアドレス、これらはひとまずは必須情報でしょう。
【3】宣材資料を用意する
これも基本ですが意外にやっていないバンドが多いです。これはあくまでも業界の人や関係者の人に配る用の資料で、一般のお客さんなどには配布しません。
一般的にはA4の紙1〜5枚くらいをホチキスで留めた簡易的なプロフィール資料になります。内容は、
■表紙(バンド名、最新の音源情報)
■2ページ目(メンバー情報、経歴)
■3ページ目(楽曲説明、歌詞、HPアドレス、問い合わせ先)
などです。順番や内容は各々で異なりますので、バンドによって最もPRできるような適切な情報を入れて下さい。
特にシングルやアルバムなどの音源を出したタイミングごとに情報を更新し持ち歩き、バンドに興味を持ってくれた関係者や業界の人などと出会った時はすぐに渡すようにしましょう。
【4】すぐに配布出来る音源を持ち歩く
これも関係者や業界人に渡す宣材資料ですが、上記の紙資料を渡すだけよりも意気込みも感じますし、音源を聴いてもらうまでのレスポンスが圧倒的に早くなりますので是非持ち歩くようにしましょう。
お金をかけてちゃんとしたCDプレスをする必要はなく、CD-ROMにコピーした音源でも構いませんが「バンド名」「楽曲名」「連絡先」は必ず記載しておきましょう。
【5】オーディションをうける
「バンド オーディション」などで検索すると沢山のオーディションが行われている事が分かりますが、バンドとして認知度を高めより多くの人に知ってもらう為には効果的な活動です。特にフェス関係のイベントに出演する事は、普段自分たちのライブに来る層とは異なるお客さんの目に沢山ふれますので新たなファンを獲得するとともに非常に重要なプロモーションとなります。
【6】他ジャンルのクリエイターとコラボする
どうしても自分たちだけで活動していると限られたアイデアや表現に落ち着いてしまいがちです。しかし周りを見渡してみれば、自分の友人や知人に音楽以外でクリエイティブな活動を行っている仲間はいませんか?絵を描いている人、写真を撮っている人、ダンスをしている人、役者をしている人、ヘアメイクをしている人、など。
あなたが駆け出しのバンドマンであればお金はかけられませんので、お金はかけずに双方に取ってプラスになる形でコラボレーションする事によって新たな広がりが生まれるはずです。
例えば映像をやっている友人にPVを撮ってもらう。その中の衣装は服屋の友人に衣装をレンタルしてもらう。あるいはジャケットのイラストを描いてもらったり、アーティスト写真を撮ってもらう事でも良いでしょう。
もちろんコラボレーションにかかる必要経費はバンドが負担をするべきですが、クレジットに名前を記載したりSNSで宣伝するといった微力な対価であっても協力してくれるという人がいればぜひ共に作り上げることをお勧めします。
異なるジャンルへの広がりは思いがけない出会いも生みますし、想像以上の口コミの力も持っています。そしてジャンルは違えどお互い上を目指そうとする、良い意味での競争心がバンドにとって良い活力となるでしょう。
【7】人に教えたくなるようなアクションを起こす
前述のYouTubeへの投稿で単純に楽曲やPVをアップするだけで広がりをみせるのはなかなか難しいことです。ですので、あえてTwitterなどでリツイートやFacebookでいいねを押してもらえるような人に教えたくなるようなアクションを起こす事で地道にバンド活動をするよりも大きな広がりを狙うケースもあります。
例えばTHE WACKIDSというバンドはオモチャの楽器を使用し、RAGE AGAINST THE MACHINEやMETALLICA、AC/DCなどのヘヴィーなバンドの楽曲をチープでペラペラな音で演奏する映像をYouTubeにアップして大きな話題となり、一気に世界的な知名度を得ました。
更に男性4人組バンドWalk off the Earthと女性アーティストSarah Blackwoodさんが結成した5人組バンドは、たった1本のギターを5人で演奏するという驚きの映像をアップしてまたたくまに世界中で話題となりました。
どれも共通しているのは、世界中誰もが知っている楽曲のカバーである事、SNSなどでシェアして人に伝えたくなるような動画であるということ、そして重要なのがお金をかけずアイデアで勝負しているという点です。
これらは少し変化球気味のPRなので自分が意図しないイメージもつきかねませんが、遊び心と多くの人に自分を知ってもらいたいという気持ちがあれば是非トライしてみるのもありかもしれません。
まとめ
以上「お金を使わずバンドを売り込む7つのアイデア」でした。アイデアというよりも基本的な情報がほとんどでしたが、CDジャケットデザインとCDプレスを行っている弊社エクストリーム・ラボにも日々沢山のバンド様からのご注文を頂き、もっと世に出て売れて欲しい!と思うのになかなか日の目を見ないケースも多いため今回の記事を書かせていただきました。1人でも多くの人に楽曲が届くために少しでも役に立てれば幸いです。