現在ガエターノ・ドニゼッティ作曲のオペラ『L'elisir d'amore〜愛の妙薬〜』(あいのみょうやく)の公演チラシの制作依頼を頂いております。
今回のようなオペラ作品の場合は劇中のイメージを投影してチラシを作成することが多いですが、よくご自身でチラシを作成する方の中には「イメージがわかない」「アイデアがでない」という声を良く聞きます。
アイデアやイメージというのは「無」の状態からはなかなか生まれてきません。そのオペラを深く掘り下げることで自ずとデザインのイメージが膨らみ形になってきます。
ではどのように内容を掘り下げれば良いか、良いチラシを制作するために注目すべきポイントを以下に挙げてみました。
時代によって衣装や風景のイメージがわかる
愛の妙薬は1832年の初演のオペラで、そのころ日本では大塩平八郎の乱よりもう少し前の時代で、もう少し後に坂本龍馬が生まれてくる時代です。その頃の時代はどんな服を来ていたのか?栄えていたのはどんな地方か?その時代にあった大きな出来事は何か?など時代背景を調べることで演奏会チラシに結びつけられるようなイメージのヒントが得られることがあります。劇中に登場する農夫ネモリーノというキャラクターがいますが、その時代の一般的な農夫はどのような服装をしていたのか?軍曹ベルコーレはどんな軍服を着ていたのかなど、今はインターネットで簡単に調べることが出来ます。もちろん全て忠実にその時代の再現をする必要はありませんが、そういった時代背景の裏付けがあることでよりチラシに説得力が増します。
国と書体に注目!
書体にはその国のイメージが詰まっている
イタリアのベルガモに生れたドニゼッティ。この時代にイタリアで誕生し、今でも広く使用されている書体に「Bodoni」というものがあります。イタリアの活字製造者のジャンバッティスタ・ボドニが19世紀初期に制作したセリフ体書体です。そしてオペラの舞台となっているのはスペイン、バスク地方の小さな村です。同じようにスペインにも多種多様な書体があるのでそういった国特有の書体を使用することでチラシの魅力を増すエッセンスになります。
登場人物(キャラクター)に注目!
このオペラにはとてもユニークで愛すべきキャラクターが登場します。
【wikipediaより抜粋】
地主の娘 アディーナ - 美人で頭も良いが、ちょっと高慢な富農の娘(ソプラノ)
農夫 ネモリーノ - 単純で間抜けな貧農、アディーナに想いを寄せている(テノール)
軍曹 ベルコーレ - 若くて野心満々の軍曹(バリトン)
薬売り ドゥルカマーラ - 口の達者なインチキ薬売り(バス)
さしずめ日本のアニメに置き換えるとすれば
地主の娘 アディーナ - しずかちゃん
農夫 ネモリーノ - のび太
軍曹 ベルコーレ - ジャイアンと出来杉くんを足して2で割った感じ
薬売り ドゥルカマーラ - ドラえもん・・・ではなく喪黒福造
といった感じでしょうか(笑)。
外国の名前の場合あまりイメージが湧きづらい場合でも、自分なりに分かりやすいキャラクターに置き換えることでよりキャラクターの特性が分かってきます。
ヒントを元に自分なりに組み立てる
以上いかがでしたか?
オペラは見る人によって解釈が異なります。
大切なのは今回の公演に適したイメージでチラシを作り、お客さんがワクワクして公演に足を運んでみたいと思ってもらうことですので、上記に上げたようなヒントを自分なりに解釈し理解を深めた上でチラシを作り上げれば、きっと素晴らしいチラシが出来上がることでしょう!
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