DDPとは、「ディーディーピー、Disc Description Protocol」の略で、米国DCA社によって開発されたCD用マスターデータのフォーマット形式です。
かつてCDディスクの製造において、Uマチックテープが主流でした。しかし、1995年にそのテープ再生機が製造終了し、2002年には部品保証も終了してしまいました。この状況を受け、新たな方法としてCD-Rディスクを用いるPMCD(プリマスターCD)が導入され、1994年には「RIS 105 CD用CD-Rマスタ運用基準」が制定されました。
かたやDDP(ディーディーピー、Disc Description Protocol)は、光ディスクを製造する際に必要な情報を包括的に管理するための方法として米国のDCA社によって1988年に開発され、1998年には「DDP 2.00」がリリースされましたが、DDPはオープンなフォーマットであるため、異なるソフトウェアメーカーや音楽制作会社が個別のDDPファイルを作成することがあり、互換性の問題があったため日本では長らくPMCD(プリマスターCD)がCDプレス用マスターの定番となっておりました。
しかし、この問題を解決するために、2005年に日本レコード協会によって「DDPファイル互換性ガイドライン」が制定され、CD工場とレコード会社の間でスムーズな情報共有と連携が可能となり、それまで定番だったPMCD(プリマスターCD)に代わりDDPがCDプレス用マスターの定番となりました。
DDPファイルは、WAVやMP3などのオーディオファイルとは異なり、CDやDVDのプレスに必要なすべての情報が含まれたファイルのため、オンライン即日でプレス業者に入稿でき、データなので劣化もないため近年のCDプレス用マスターの主流になっています。
DDPファイルに含まれるもの
DDPファイルはWav、AIFF、MP3などの音楽データとは違い、複数のデータからなるファイルのセットで一つのフォルダの中に音楽CDを構成するいくつかの情報が別々に記述されています。
そのファイルの数は、作成するソフトやCDの内容によって誤差がありますが、少なくともDDPには以下の4つのパートを含む必要があります。
1:音楽イメージ (.DAT)
2:DDP識別子 (DDPID)
3:DDPストリーム記述子 (DDPMS)
4:サブコード記述子 (PQDESCR)
さらに、上記以外にも
5:CHECKSUM(データが正しく送信できたか確認するためのファイル)
6:TEXT.BIN (マスタリング時にCD-TEXTを書き込んだ際に生成されるファイル)
・・・などもあります。