そもそもCDとは?
CDは、フィリップスとソニーが共同開発したデジタルオーディオディスクです。CDは、従来のアナログオーディオディスクよりも音質が優れており、約80分の音楽を保存することができ、また、曲のスキップや早送りが簡単にできるため、瞬く間に人気となりました。
CDの構造
CDは直径12cmまたは8cm、厚さ1.2mmの円盤状のプラスチックによってできています。材質は一般的にはポリカーボネートが用いられており、中にはAPO(非晶質ポリオレフィン)やガラスを使用したものもあります。
CDは「印刷層」から順に、「保護層」、「反射・記録層」、「樹脂層」の4つの層によって構成されています。
- 印刷層:CDのタイトルやアーティスト名、曲名が印刷されています。
- 保護層:印刷層を保護する役割をしています。
- 反射・記録層:レーザー光を反射する層で、データが記録されています。
- 樹脂層:反射・記録層を保護する役割をしています
CDプレスとは?
CDの製造工程は、大きく3つに分けられます。
- カッティング
- スタンパー作成※
- プレス仕上げ
- カッティング:ガラス盤にホトレジスト(感光剤)を塗布し、レーザー光で記録する工程。
- スタンパー(原盤)作成:カッティングしたガラス盤からメタルマスター、量産用のスタンパーを作成します。
- プレス仕上げ:スタンパーを使って、ポリカーボネート樹脂をプレスしてCDを製造します。
※スタンパーとは|光ディスクを射出成形機で製造する際に、溝を形成する精密な金型原盤
CDの普及
CD以前は、音楽はレコードやカセットテープに保存され、再生されていましたが、レコードは大きくて割れやすく、カセットテープは音質が悪く、曲のスキップや早送りができませんでした。しかし1982年にCDが一般に発売されると、レコードやカセットがもつデメリットを払拭する画期的なメディアとして瞬く間に音楽を保存する最も効率的な方法となりました。
CDの未来
近年では、インターネットの普及により、デジタルデータとしてインターネット上で簡単にダウンロードすることができ、また音楽ストリーミングサービスでは、月額料金で無制限に音楽を聴くことができるためCDの売上は減少していますが、CDは依然として多くの人々に愛されています。CDには、ストリーミングサービスでは味わえない音質や、手元に置いていつでも聴けるというメリットがあるため、今後も愛され続けるメディアであり続けるでしょう。