レコーディングを終えマスタリングも完成して、後は音源を入稿するだけ!…という所で意外に手こずってしまう事もある音源データの入稿方法。技術に長けたレコーディングエンジニアの方ならなんてことありませんが、ご自身で録音している場合や知り合いの範囲で制作などをしていると問題に直面する事が多々あります。
CDプレスを失敗しないために注意すべき7つの事でも記載しましたが、今回はそんな音源入稿の様式についてより詳しくご説明したいと思います。
一番理想的な「DDP」でのご入稿
音源の入稿で一番理想的な方法は「DDP」入稿となり、弊社もこれを推奨しております。なぜなら、コチラの記事でも書いておりますが「仕上がりがマスタリング時のオリジナルデータに近い」「データの保存性が良い」という点に加えて、オンライン上で劣化させずにデータを送付できることが利点です。
CD-Rマスターでは「お客様から弊社へ郵送」「弊社から工場へ郵送」という2工程が発生し、それにともない時間とコストがかかってきますが、オンラインで直接ご入稿いただく事ですぐに工場へデータを送る事ができるため、DDP入稿はCD-Rマスター入稿と比較して「郵送にかかるコスト」や「日数の削減」もできる大きなメリットがあります。
DDPとは何か
「CD」と同様に「DDP」というメディアがあると勘違いされる方もいるかもしれませんが、DDPはデータファイル形式のCDプレス用マスターの納品フォーマットになります。ですのでCDに焼く事も出来ますし、USBやメモリカードに入れる事も出来ます。
現時点のCDプレスでの音源入稿形式で最もポピュラーなものといえるかと思います。馴染みのあるWav、AIFF、MP3などの音源データとは異なり、1つのファイル内にいくつものデータが入ったファイルセットになります。
DDPデータを作成するには
DDP マスターの作成は、それに対応しているライティングソフトを使用する必要があります。更にはDDPマスターを作成するにはある程度の専門知識が必要となりますので、レコーディングスタジオ、オーサリングスタジオでの作成をお勧めいたします。
DDPでの入稿が難しいという場合は次のCD-Rマスター入稿をご覧下さい。
DDPデータのご入稿方法
DDPデータは非常に容量が大きくなりますので、直接メールに添付して送るという事はせずにオンラインデータ送付サイトなどを利用してお送りいただく形になります。サイトによって送付できるデータ容量が変わってきますので、データにあわせて適切なサイトからお送り下さい。
firestorage|容量1ファイル2GBまで
Giga File便|容量1ファイル75GBまで
BitSend|容量無制限
CD-Rマスターでのご入稿
DDP入稿が主流になる前は、CD-Rマスターでの入稿が一般的でした。CD-Rマスターで入稿いただく場合、まず弊社への郵送、そして弊社から工場への郵送、という手順を踏むためコスト(送料)と時間がDDPに比べてかかってしまいます。 しかしDDPと比べてそこまで専門的な知識は必要ないため個人で音源を作成されている場合などには向いているといえます。必ずディスクアットワンスで書き込む
CD-Rマスターはライティングソフトを使用して作成いただき、必ずライティングソフトの書き込みを「ディスクアットワンス」に設定して下さい。ディスクアットワンスはディスクに一度にまとめてデータを書き込む方式で、後からデータを追記することは出来ません。
「トラックアットワンス」や「セッションアットワンス」は容量の範囲内で後からもデータを追記できてしまうため、CD-Rマスターを作る際にはかならず「ディスクアットワンス」に設定する必要があります。
必ずCD-DA(音楽CD)フォーマットで作成する
通常MP3やWAV、AIFFなどの形式はパソコンや専用の機器に対応したものですので、それらのデータをそのままCD-Rに焼いただけではオーディオプレイヤーに入れても再生することができません。
オーディオプレイヤーでも再生できるようにする為にはCD-DA(音楽CD)フォーマットで作成していただく必要があります。
マスター1枚とサブマスター1枚、計2枚をお送り下さい
CD-Rマスターでの入稿の際はマスターとサブマスターの計2枚をご入稿下さい。万が一マスターデータに不備があった場合、納期の遅延を最小限に抑える為にサブマスターが必要となってきます。そして必ず「品番」や「タイトル」などをマジックなどで記載してください。